
どうするかを考えない人に、どうなるかは見えない。
仕事や勉強、部活の練習など与えられた義務があった時に、そのやるべき意味・やらなければならない意味を深く考えますでしょうか。
大抵はそこまで深くは考えずに、与えられた義務をこなしながら日々を過ごしていく方も多いのではないでしょうか。
しかし、その意味を自分に落とし込むまで考えるか考えないかで、その義務をこなす意味やモチベーションが全く異なってきます。
活動・仕事・労働の違い
仕事を例えにすると、仕事と労働の違いについては耳にすることがあると思います。
「労働」は、やりがいを感じずに、生きていく上で賃金を得るためだけに意思とは関係なしに受動的に働くことを指し、「仕事」は、やりがいを感じながら自ら能動的に働くことを指します。
更に、「労働」と「仕事」は収入を得ることができるからやっている面もあるため完全に心からやりたいという訳ではないかもしれませんが、「活動」は完全に自発的に心からやりたくて行う行動となります。
「活動」についてはここではあまり触れませんが、これら3つの行動は哲学者のハンナ・アーレントが分類したものです。
どの行動が良いのか
人間の行動の中で、活動・仕事・労働の順に質が高いものとされていて、この質を高めてより高度な行動に変えていかなければなりません。
例えばコンビニ店員だった場合、労働は「ただ人がきたらレジで会計をし、商品が減ってきたら補充する」だと思います。これはコンビニにとっては必要なことでとても大事なことです。これができないとコンビニがまわらないからです。
しかし、言葉を言い換えるとコンビニ店員にとっては誰でもできるようにならないといけないレベルです。慣れてしまえばあまり頭を使わずに作業でできるもので、替えもきくかもしれません。
対して仕事は、その労働の範囲を超えて「どうしたらより売上が上がるだろうか、どうしたらお客様に満足してもらってリピートしてもらえるだろうか」など、常に先の展望やお店と自分の成長などを考えながら働くことです。
購買意欲をより高めるためにPOPをより目立たせたり、接客時には笑顔で元気よく対応したり、困っている人がいたら待つのではなく自ら手を差し伸べたり、レジ横やエンド棚に目玉商品やセール商品を目立つように展開したり、声掛けで呼び掛けるなど様々な方法があります。
この方法を考えて実践していくことで、替えのきかない重要な人材になっていきます。
客観的に見たら労働と業務内容はそこまで変わらないかもしれませんが、毎日様々な考えを張り巡らせるので、業務にやりがいや責任感も生じて活き活きと仕事ができるようになっていくことでしょう。
労働を仕事に変えるには?
しかし、そうはいっても毎日やることが多く、義務をこなすだけで精一杯だ、一歩先のことを考える時間も体力もないなど、なかなか労働というカテゴリから抜け出せない人は多くいます。
しかし、本当にそうでしょうか。人で唯一絶対的に平等なのが時間です。
仕事として働けている人はどう時間を使っているのか、自分の時間の使い方には問題がないのかなど改めてじっくり考えてみることはとても大切です。得てして、成功している人、輝いている人は共通して時間の使い方がとても上手です。
また、時間に余裕がないのは時間の使い方とは関係なしに、もしかしたら業務内容や方法にも原因があるのかもしれません。
人の業務まで抱えてしまっている、アナログなやり方をしてしまっている、整理ができていなくて探し物に時間をとられてしまう、悩む時間が多い、不必要な業務をルーティンでやってしまっているなど、何か改良点がないか再度考えてみることです。
自分が何をしているのか、なぜそれをしなければならないのか、そしてそれをより良くするためには何をすればよいのかを考え、その後どうなるのかまでも考え抜くことを続けないと何も変わりません。何かを変えるにはとても労力が要るものです。そこまで考え抜いて実践して初めて、どうなるか先が見えてくるものです。
割り切ることも大事
しかし、様々な働き方があるので、割り切って与えられたものだけをこなそうと決めている人ももちろんいます。それはそれで素晴らしいことです。自分の意志でしっかりと決めている場合には、きっとそこではない他の本業・分野などで自分の意志を持って活躍していることでしょう。
五感をフルに使うことが大事
意味を考え抜いて理解し、納得した上で業務を行うことでプラスアルファの効力が生まれてきます。考えることを疎かにすると、その先の未来が見えてこず大きな進歩はありません。五感をフルに使うことはとても大切なことです。
今やらなければならない業務を「仕事」と捉えて行うのと、「労働」と捉えて行うのとどちらが自分にとって望んでいることなのか、たまに立ち止まって見つめ直すことも大事なことかもしれません。